2026年09月03日

「最近、職場の人が次々に辞めている」
「新人ばかりになって、仕事がうまく回っていない」
「人を採用しているけれど、育成する余裕がない」
「会社は忙しそうなのに、なぜか利益が残っていない」
このような状況に心当たりはありませんか?
会社で働いていると、目の前の仕事に追われてしまい、「この会社で働き続けた先に、自分はどうなっているのか?」まで考える機会は意外と少ないものです。
しかし、会社の経営状態や組織の状態は、自分自身のキャリアにも大きく影響します。
特に、スタッフの退職が続き、新しく採用したスタッフばかりになってしまう会社では、業務のノウハウが蓄積されず、社員の育成も進みにくくなります。
その状態が長く続けば、会社の業績だけではなく、そこで働く人の成長機会まで失われてしまう可能性があります。
今回は、ある会社をモデルケースとして、経営が傾いていく会社に居続けることで、自分のキャリアにどのような影響が出るのか、そしてキャリアプランをどのように考えればよいのかを解説します。
◇この記事の執筆者
谷猪幸司
仕事と恋愛を両立したい20代〜30代男性を中心にサポートしているキャリアコンサルタント。
大手IT企業勤務を経て、「人生を変えるきっかけを作りたい」という想いから対人支援の道へ。
働きながら国家資格キャリアコンサルタントを取得し、仕事・恋愛・自己成長の両立を実践。
現在は、恋愛・キャリア・人間関係に悩む男性へ向けて、現実的な改善方法を発信している。
「仕事も恋愛も諦めない人生作り」をテーマに活動中。
プロフィール詳細
キャリアプランを考える必要性
経営が傾いていく会社の事例
なぜスタッフの退職が会社を苦しくするのか
経営が傾く会社で働き続けるリスク
自分のキャリアまで停滞してしまう理由
会社が危ないと感じたときに確認したいこと
自分のキャリアプランを考える方法
転職を考えるべきタイミングとは
よくある質問
まとめ
記事のポイント
この記事の一番大きなポイントは、 「会社に残ること」ではなく、「その会社で働くことが自分のキャリア形成につながっているか」を考える ということです。
特に、以下の5点が重要です。
① 会社の経営状態は、自分のキャリアにも影響する
スタッフの退職が続く、経験者が減る、新人ばかりになる、教育ができない――こうした状態が続くと、会社だけでなく、そこで働く社員の成長機会も失われる可能性があります。
② 「忙しい=成長している」ではない
人が辞めて仕事量が増えているだけでは、キャリア形成につながっているとは限りません。
仕事量ではなく、「何ができるようになったか」を見ることが重要です。
③ 会社の問題と自分のキャリアを切り分ける
会社を立て直すことだけに意識が向いてしまうと、自分自身のキャリアを考える余裕がなくなります。 「会社にとって必要な人材か」だけではなく、 「自分が将来必要とされる人材になるために、今の環境で何を得られるか」 という視点が必要です。
④ 経営が厳しい会社でも、経験を積める場合がある
会社の状況が悪いから、必ず転職すべきというわけではありません。
業務改善、マネジメント、売上改善、新しい仕組みづくりなどを任されるのであれば、むしろ貴重なキャリア経験になります。
⑤ 「会社が倒産してから」ではなく、選択肢があるうちに考える
会社の未来を自分一人で変えることは難しい。 しかし、自分のキャリアの未来を考えることはできる。
キャリアプランを考える必要性

キャリアプランとは、簡単に言えば、「これから自分がどのような仕事人生を歩みたいのか」を考えることです。
「今の会社にいるから大丈夫」
「給料をもらえているから問題ない」
と考えてしまう人もいるでしょう。
もちろん、現在の仕事を続けること自体が悪いわけではありません。
しかし、会社の状況が変化すれば、自分の仕事内容や待遇、成長機会も変化します。
だからこそ
「この会社で5年後、10年後に自分はどうなっていたいのか?」
を考えておくことが重要です。
経営が傾いていく会社の事例

ここでは、ある会社をモデルケースとして考えてみましょう。
最初は社員も多く、会社も順調に見えていました。
ところが、徐々にスタッフの退職が増えていきます。
1人辞め、また1人辞め、その穴を埋めるために新しいスタッフを採用します。
ところが、新しく入ったスタッフは経験がありません。
本来であれば、先輩社員が仕事を教え、一定期間をかけて育成する必要があります。
しかし、ベテラン社員も退職しているため、教育を担当できる人がいません。
その結果、
退職する
↓
新人を採用する
↓
育成する余裕がない
↓
新人が十分に成長しない
↓
現場の負担が増える
↓
さらに退職する
という悪循環が生まれます。
さらに、人手不足を補うために派遣社員やスポットワーカーなどへの依存が強くなると、採用・教育・管理にかかるコストも増えていきます。
売上があっても、利益やキャッシュが残らなくなれば、会社の経営は徐々に厳しくなります。
なお、「黒字倒産」とは、会計上は利益が出ていても、手元の現金が不足して支払いができず倒産する状態を指します。
つまり、「売上がある=会社は安全」とは限りません。
なぜスタッフの退職が会社を苦しくするのか
スタッフの退職は、単純に「1人分の人手が減る」という問題ではありません。
経験のある社員が退職すると、その人が持っていた知識やノウハウも失われます。
さらに、新人を採用すれば、
・採用コスト
・教育コスト
・教育担当者の負担
・新人の生産性が低い期間
・ミスやトラブルへの対応
などが発生します。
そのため、退職が続けば続くほど、会社は人材を育てることよりも、辞めた人の穴を埋めることに追われるようになります。 これが長期化すると、組織としての成長が止まってしまいます。
経営が傾く会社で働き続けるリスク

ここで考えたいのが、「会社が大変になるだけなら、自分には関係ないのでは?」という問題です。
実は、そうとも限りません。
会社の経営が悪化すると、
①仕事量が増える
人が辞めても仕事は残ります。
そのため、残った社員に仕事が集中します。
②教育する余裕がなくなる
本来なら新人を育てるところを、目の前の業務をこなすことが優先されます。
③新しい仕事を経験できなくなる
会社を立て直すための目先の対応が中心となり、社員の成長につながる仕事を任せてもらえなくなる場合があります。
④待遇が改善されにくくなる
会社に余裕がなければ、昇給や賞与、研修などへの投資も難しくなります。
⑤優秀な人材から辞めていく可能性がある
将来性を感じなくなった社員から転職していけば、さらに組織力が低下する可能性があります。
自分のキャリアまで停滞してしまう理由

ここがこの記事で最も重要なポイントです。
会社が苦しくなっていると、社員も忙しくなります。
しかし、
忙しい=成長している
とは限りません。
毎日同じ業務を繰り返し、退職者の仕事を引き継ぎ、新人のフォローをして、トラブル対応に追われる。
これでは仕事量は増えているのに、自分の市場価値が思ったほど上がっていないということもあります。
例えば、
「5年間働いた」
としても、
「5年間、新しいスキルを身につけた」
とは限りません。
ここはキャリアを考えるうえで非常に重要です。
勤続年数ではなく、何を経験し、何ができるようになったのか。
これを定期的に振り返る必要があります。
会社が危ないと感じたときに確認したいこと

会社の状況に不安を感じたら、感情だけで「辞める」「残る」を判断するのではなく、まず状況を整理してみましょう。
①社員の退職が増えていないか
特定の部署だけではなく、会社全体で退職が続いていないか確認します。
②新人ばかりになっていないか
経験者が少なくなり、組織のノウハウが失われていないかを見ます。
③教育が機能しているか
新人を育てる仕組みがあるのか、それとも現場任せになっているのかを確認します。
④社員の仕事量が増え続けていないか
人が減っているにもかかわらず、仕事量だけが増えている場合は注意が必要です。
⑤自分自身が成長できているか
これが最も重要です。
「忙しいけれど、以前よりできることが増えたか?」
「市場価値につながる経験を積めているか?」
を考えてみましょう。
④自分のキャリアプランを考える方法

キャリアプランを考えるときは、いきなり「転職するかどうか」を決める必要はありません。
まずは次の3つを考えてみましょう。
①現在地
現在、自分は何ができるのか。
- ・業務経験
- ・資格
- ・スキル
- ・マネジメント経験
- ・売上改善経験
- ・顧客対応経験
などを書き出します。
②なりたい姿
3年後、5年後にどうなっていたいのかを考えます。
例えば、
「管理職になりたい」
「専門性を高めたい」
「年収を上げたい」
「自分で事業をしたい」
などです。
③その会社で実現できるのか
最後に、
「現在の会社で、その目標を実現できるのか?」
を考えます。
ここが非常に重要です。
会社に残ることが目的になってはいけません。
自分のキャリアを実現するために、今の会社をどう活用するのかという視点を持つことが大切です。
⑤転職を考えるべきタイミングとは

会社の経営が厳しいからといって、すぐに転職する必要があるとは限りません。
むしろ、会社が大変な時期だからこそ、貴重な経験を積めるケースもあります。
例えば、
「業務改善を任された」
「マネジメントを経験できた」
「売上改善に関わった」
「新しい仕組みを作った」
などです。
こうした経験は、次のキャリアにつながる可能性があります。
一方で、
「仕事量だけが増えている」
「成長する機会がない」
「会社の立て直しに追われている」
「待遇も改善されない」
「将来のキャリアが見えない」
という状態が続いているのであれば、転職を含めてキャリアを見直すタイミングかもしれません。
大切なのは、会社が倒産してから動くのではなく、まだ自分に選択肢がある段階で考えることです。
よくある質問
Q.社員が次々に辞める会社は危ないのでしょうか?
A.退職が続いているからといって、必ずしも経営が危ないとは限りません。ただし、退職によって経験者が減り、新人の育成も進まず、残った社員の負担が増えている場合は注意が必要です。
Q.新人ばかりの会社で働くことにはどんな問題がありますか?
A.経験者からノウハウを学ぶ機会が減り、教育担当者の負担も増えやすくなります。また、組織として業務改善や人材育成を進めることが難しくなる場合があります。
まとめ
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